キューバ野球界で歴史的な出来事が実現する。サンクティ・スピリトゥスの主力として長年活躍してきたフレデリク・セペダ外野手(45)が、今季の国内リーグで息子フレデリク・ヘススと同じチームに加わることが決まった。父子が同じユニフォームを着てプレーするのは極めて稀であり、大きな注目を集めている。
父セペダは「同じチームで息子とプレーできるのはとても美しいことだ。スポーツ人生の中でめったにない魔法のような、唯一無二の機会だ」と語り、長いキャリアの中でも特別な瞬間であると喜びを表した。さらに「息子は常に『セペダの息子』という重い烙印を背負っていくことになる。それは誰にも変えられない。ただ、彼自身であろうとし、自分のキャリアを築いていかなければならない」と冷静に語っている。
息子のフレデリク・ヘススは父と同じ両打ちの外野手で、すでにキューバU-18代表に選出されている。9月には沖縄で開催されるU-18ワールドカップに出場予定であり、国際舞台での活躍が期待されている。
一方、父セペダは安打、二塁打、長打、四球で歴代最多記録を持ち、クラシックや五輪でもチームを牽引してきたキューバ野球の象徴的存在。取材に対し「神様が息子を祝福し、健康で夢をすべて叶えてほしい。成功や富だけが真の豊かさではない。最大の富は幸福と家族だ」と語り、父としての思いをにじませた。
レジェンドと新鋭。世代を超えた親子の共演は、キューバ野球における伝統と継承を象徴する瞬間となりそうだ。
コメント