キューバ野球連盟(FCB)は、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた代表チーム候補に、連盟に所属しないMLB選手らを招集することが決定している。しかし、キューバ出身のメジャーリーガーがキューバ代表に参加するための許可が米国政府からまだ得られていないことがわかった。キューバ国営新聞社「JIT」が7日(日本時間8日)に報じ、キューバ野球連盟が(FCB)が米国政府の対応を非難した。
記事によるとキューバ野球連盟のフアン・レイナルド・ペレス会長は「数ヶ月前から、FCBは公式に発表しており、何度も繰り返した。MLBを含む世界各国のリーグに参加するキューバ人選手への呼びかけの結果、WBCに向けたチームを結成する意思を表明した。しかし現在、米国政府の許可が必要だとの情報が入っている。さらに、連盟は他のすべてのチームと同様に、代表に参加する意思を確認した選手の名前までファンや世論に明かしている」と話した。また、「主催者側からは『キューバだけはアメリカ政府の許可が必要』と言われ、この許可がないため、すでに進行しているのWBCに向けた準備などの情報がキューバ側に入って来ていないし、WBCに出場する他国のように、50人の代表選手候補リストを提出するよう求められたこともなかった』と現在の状況を話した。
続けてペレス会長は、「米国政府によるキューバに対する差別的な扱いは遺憾であり、キューバ野球連盟はこれを断固拒否する。その動機は純粋に政治的なものであり、スポーツの行使と楽しみを脅かすものである。このような複雑なシナリオに直面する国は、WBC参加国にはない。これは、スポーツという高貴なものを含め、キューバの生活のあらゆる分野を攻撃する政府の行為の一部であり、キューバの野球愛好家やファンすべてに影響を及ぼすものだ」と米国政府を強く非難する声明を出した。
キューバは米国とは長らく国交がなかったものの、2015年に当時のオバマ政権がキューバと米国の国交回復を行い、野球についても18年にMLBとキューバ野球連盟の間で協定が結ばれた。これにより選手が亡命することなくMLBに移籍でき、キューバ野球界にとって人材流出に歯止めがかかるかに見えた。しかし、後任のトランプ政権が協定を破棄し、現在のバイデン政権もキューバとの関係改善には消極的なため、両国の距離は埋まっていない。
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