キューバ野球連盟(FCB)が、次回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で米国育ちのキューバ系選手を代表に招集する可能性が浮上している。複数の関係者によると、この案はすでに検討段階にあり、国家レベルでの承認を経る必要があるという。
キューバのスポーツ界では近年、サッカーをはじめとした他競技では、国外生まれのキューバ系選手を代表に加える事例が増えている。野球においても、WBCの規定により「キューバ生まれでなくとも国籍取得は不要」とされており、既にアンドリュー・ペレス、ジミー・ヤカボニス、ライアン・フェルナンデスといった米国育ちのキューバ系選手が出場意欲を示している。
当初はキューバのパスポート取得を必須とする方針が混乱を招いたが、現在は不要と確認済み。FCB関係者は「規定は十分理解しており、解決策を模索している」と語り、すでにアンドリュー・ペレスは代表入りに向けた調整が進められている。
この動きは代表強化の大きな一歩となる可能性を秘める。ヤンキースのカルロス・ロドンは「連絡は受けていない。ヤンキースでの責務があるため難しいが、もし実現すれば光栄だ」とコメント。ライアン・フェルナンデスも「機会があれば素晴らしいことだが、まだ接触はない」と前向きな姿勢を見せた。
現時点での想定メンバーには、日本のプロ野球でプレーする選手も含まれている。ソフトバンクのリバン・モイネロは先発候補、巨人のライデル・マルティネスはクローザー候補、日本ハムのアリエル・マルティネスは指名打者候補としてリストアップされている。
キューバはこれまで国際大会で実力を示してきた伝統国だが、選手流出や人材不足が深刻化している。今回の「国外育ちのキューバ系選手招集」が実現すれば、戦力強化と同時に新たな歴史を刻むことになりそうだ。
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