キューバ野球界における「人材流出」の流れが止まらない。外野手のオリバー・モンテアグド(13歳)が、将来的なMLB契約を見据えて母国を離れ、ドミニカ共和国へ渡ったことが明らかになった。若干13歳という年齢での海外移住は、国内育成システムから逸材が失われる現状を改めて浮き彫りにした。
モンテアグドはサンクティ・スピリトゥス出身で、身長190センチ近い体格を誇る左打者。将来性豊かな長打力と選球眼、さらに外野守備でも平均以上の力を持つとされ、早くもスカウトの注目を集めている。2024年10月にはパナマで開催されたU-12パンアメリカン大会でキューバ代表として出場しており、国際舞台での経験も積んでいる。
今回の渡航により、モンテアグドは2029年のインターナショナル・サインニング期間からMLB契約が可能になる見込みだ。だが、キューバ国内にとってはまた一人、将来を担う可能性のあった逸材が流出する結果となった。近年、若年層の才能が相次いで海外に流れており、国内リーグや代表チームの将来的な戦力低下が懸念されている。
人材流出は経済的な要因や選手個人の夢の実現と密接に関わっているが、同時にキューバ野球の存続と発展に大きな課題を突きつけている。モンテアグドの動向は、MLB挑戦の一歩として注目される一方、キューバ国内では議論を呼び起こすことになりそうだ。
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